Q.婚姻関係が破綻している場合とは,どういった場合ですか?
A.おおまかにいうと,夫婦として共同生活を継続する意思が失われ,かつ回復の見込みがないと客観的に判断できる状態をいいます。この状態かどうかは,個別具体的な事情を総合考慮して,判断します。
不貞行為があったとき,すでに婚姻関係が破綻している場合には,原則的に不貞の慰謝料請求は認められません。
また,不貞行為によって婚姻関係が破綻したといえるかどうかによって,裁判の際に取得できる慰謝料の金額に違いが出てきます。
以下,総合考慮の際の判断材料の一例を挙げておきます。
①同居をしているか
②具体的な離婚話をしているか
③離婚調停申立中であるか
④家族旅行などをしているか
⑤同じ寝室で寝ているか
⑥性交渉があるか
⑦配偶者の一方が他方に家計を任せていたか
⑧互いの生活に関心を有していたか
⑨不貞に至った経緯や不貞関係を解消した経緯
⑩不貞発覚後も一方の配偶者が婚姻継続の意思を有しているか
など
なお,上記はあくまで総合考慮の判断材料の一部ですので,これらの事情の該当非該当が,必ず婚姻関係の破綻の有無に直結するというわけではありません。そのため,基本的には婚姻関係の破綻の有無については,弁護士に相談するのがよいと思われます。