不貞を疑われた妻側の離婚の事例
依頼者情報
・女性
・20代
・子なし
・婚姻期間 1年未満
依頼概要
夫と喧嘩して別居中のAさんから相談を受けました。Aさんは夫から不貞行為を理由とした慰謝料請求をされていました。Aさんは、夫に不貞行為の事実はないと説明しても納得してもらえず、対応に苦慮して相談に来たとのことでした。
また、Aさんの夫は上場企業のサラリーマンでしたが、Aさんは当時生活費をもらえていない状態でした。
弁護士対応
離婚協議からはじめましたが、夫側が慰謝料支払ってもらわなければ離婚できないという姿勢を崩さなかったため、 Aさん側から離婚調停及び婚姻費用分担請求調停を起こすことにしました。
調停では夫側にも弁護士がつき、話し合いを進めましたが、調停の際にも夫側は慰謝料をもらえなければ離婚はしないとし、不貞行為があったと主張し続けました。
それに対し、こちらは夫側が出してきた証拠に対し反論しながら、不貞行為がなかったことを主張していきました。
婚姻費用分担請求調停では、夫側は、Aさんの不貞行為など、Aさんが原因で別居することになったことから、婚姻費用は支払う必要がないと主張しましたが、こちらは不貞行為の事実はないこと、別居に至った原因がAさんだけにあるわけではないことを主張し、婚姻費用は支払われるべきと主張しました。
結果
婚姻費用分担請求調停では、最終的にAさんは算定表どおりの金額の婚姻費用を獲得しました。
離婚調停では、夫側が最後まで慰謝料を譲らず、調停不成立となりました。
Aさんは、離婚して籍を抜くこと自体には固執されていなかったため、離婚しないのであればこのまま別居を続けて婚姻費用をもらいながら生活することで構わないという意向でしたが、その後、調停外で話し合いがまとまり、最終的にAさんの納得のいく条件で協議離婚する運びとなりました。
本件は、婚姻期間が短く、財産分与の問題はほとんど生じませんでしたが、その代わりに、執拗な慰謝料請求によりAさんは精神的に応えている様に見受けられました。このような精神的な苦痛、不安があるなか、自分で相手と話し、もらえていない生活費の支払いを求めるなどは、負担が大きいことと思われますので、ぜひ一度弁護士にご相談してみてください。